WOMJ第1回事例共有セミナー

先週参加して参りました「WOMJ第1回事例共有セミナー」に関して整理したのでブログにもアップさせていただきます。ご興味のある方はどうぞシェアしてください。


そもそも「WOM JAPAN」とはWOM マーケティング協議会のこと。
WOM=Word Of Mouth すなわちクチコミマーケティング業界の育成と啓発に寄与するために発足された団体。
WOMマーケティングに関わる法人、個人が集まり調査、研究、協議を積み重ねて行くことで市場の健全な発展を目指していく、とのこと。
http://womj.jp/index.php


わたくし、最近セミナー参加がかさんでそれなりにお金使っちゃたりしてるんで正式に個人会員になっておりませんが、ビジターってことで参加させていただきました。


初回の事例共有セミナーのテーマは
1、mixi におけるクチコミプロモーションの事例と今後の展望
2、カイタッチプロジェクトを通じて見えてきたクチコミマーケティングの可能性と課題


と題した講演を拝聴させていただき、自分が描いてきたWOMマーケティングのあり方、手法に関してブラッシュアップしてきました。


1、mixi におけるクチコミプロモーションの事例と今後の展望


Mixi 媒体パフォーマンス

■登録会員数:1,740万人→一人当たり平均20-25人のマイミク
 女52% 男48% / F1 38% M1 33% →40歳以上は5%未満
■コミュニティ件数:200万件 →コミュニティの伸びは鈍化 →書き込は活発
■全体PV:月間 153億PV →モバイルが3/4以上を占める
■拡張方向
 サービスの多様化→Mixi アプリ   ユーザー利用シーンの多様化→デバイス
Mixi アプリの特徴
1、共有や共感をコアバリューとするコミュニケーションコンテンツ
2、PC、モバイルの同時展開
3、従来の広告枠を超えた展開→コラボアプリによる企画広告
※みん顔→2日間で6万人登録


Mixi メディアとしての活用法

■クチコミプロモ
タイアップ事例は280件程度
日記に書いてもらう / コミュニティで盛り上がる→リアルへの波及
■日記に書いてもらうためのいくつかのポイント
1、運びやすさ→ちょっとした手土産をイメージ
プレスリリース渡しても書かない(重たい)。→適度な情報量、シンプルな内容、重すぎない内容
2、書きやすさ→自分で書いた時にコメントがつきやすいか
ユーザの体験として書かせる→他人事より自分事、滑っても平気な緩さ、少しのやらされ感

'''0を100にするプロモではなく、10から100にするプロモ
→ネタが多少なりとも世間認知されていないと難しい'''


Mixi でクチコミを広めるには?

■1、キーワードクチコミタイプ
目的:特定のキーワードを、多くのユーザに認識させる
まずはキーワードを認識させることにより、クロスメディア(雑誌、TV)の効果が高まる。

*事例:映画「天使と悪魔」
特設ページから自分のプロフィールを「天使と悪魔」仕様に出来るアプリ、
プロフィールメーカーでの囲い込み。
250万人にリーチ。企画開始から2日間注目キーワード1位。
「天使と悪魔」に関する日記が35万件書き込まれた。

'''欲張ってはいけない。渡す情報量はミニマム。
あくまでキーワードを広めることだけをしっかりプロモ→後のフォロープロモにつなげる'''


■2、囲い込みコミュニケーションタイプ
目的:特定のターゲットとしっかりコミュニケーションする。
長期の双方向コミュニケーションにより信頼関係を醸成する。

*事例:コカコーラ「コカコーラプラス
仮想キャラ「プラスちゃん」とマイミクになることで最新のトレンド情報受信や、著名人とのマイミクになれるなど精神的インセンティブによりマイミクを増やし囲い込む。
マイミク数は18万人を超えた。

ターゲットの明確化、狭小化を図る。精神的インセンティブを与え、しっかり長くつきあうコミュニケーションを醸成。


■3、わからないならユーザに聞いてみよう
目的:ユーザと一緒に考え、ユーザ視点を取り入れる。
→ユーザの応援団化。

*事例:宇多田ヒカル著書
特設ページで呼びかけ、ユーザに広告原稿(バナー、テキスト)を制作、投稿してもらう。

対象商品、アーティストをしっかり理解→日記やコミュでのユーザ発信波及も想定出来る。
応募数 バナー原稿:1,433件 テキスト原稿:10,478件

'''素直にユーザにお願いする。
ユーザと同じ高さでコミュニケーション出来るのがMixi の強み。'''





2、カイタッチプロジェクトを通じて見えてきたクチコミマーケティング
■Kai Touch Project とは?
http://www.kai-group.com/jp/kaitouch/
家庭用品(刃物、キッチンウェア、美容小物など)貝印マーケティングサイト。
貝印=カミソリ会社という認識から脱却するためのブランディング促進。
メーカーとしてエンドユーザとのタッチポイント創出。

■プロジェクト背景
ビジョン:web=マーケットコミュニケーションのハブと位置づける。
フォーカス:ブログ(CGM)=webマーケの軸と位置づける。
インサイト:ブログユーザの望み:読んでほしい、コメントが欲しい
クチコミのトリガー:うれしい、ちょっとびっくり=こんなことがあったよ

■プロジェクトフロー
1、貝印製品に関するブログ記事をリストアップ
自然発生した記事(使用感、クレームも)
書き込の呼びかけ=Kai Touch Projectからのお題提供
2、プロジェクトメンバーがブログ訪問
コメントを残す。自然発生した記事(プロジェクトを認識していない)にはサイト誘導。

■戦略のポイント
どうやってユーザを呼び込むか→こちらからユーザサイトにうかがう。
どうやれば効率的にサイト運営出来るか→効率化ではなく温度(コミュニケーションの質)を追う。
ユーザにどのようなインセンティブを与えるか→ユーザが喜ぶ=ブログ訪問すること。
企業としてソーシャルメディアとどうつきあうか→ソーシャルの一員になってしまう。
コミュニケーションの本質→人の暖かみを伝える


といった感じでしょうか。


個人的にはマーケティングにおけるクチコミ喚起って結構グレーな部分もあると思うんです。やらせであったりとか、記事広告やペイパブとの差異とか。
WOMJではそういったグレーな部分としっかり線引きをして行くためのガイドラインの策定も今後進めて行くとのこと。


わたしも業界の健全な育成に貢献出来るかしら。